看護師は有給休暇の取得率が低いと言われていますが、その理由として以下の3つの点が挙げられます。まず第一に言えることは、仕事が忙しくて、現実的に休みを取るのが困難であるケースです。外来と病棟のいずれの職場でも、看護師は必要不可欠な存在です。円滑に医療処置を進めていくためには、一定人数の看護師が必要になってきます。常日頃から人材が不足している医療機関の場合、看護師が一人休んだだけでも、業務に大きな支障が出てしまうことが少なくありません。続いて2つ目の理由が、周囲の人達に迷惑をかけられないと思い、看護師自身が有給休暇の取得を自粛してしまうことです。この傾向は、真面目な看護師や新人ナースによく見られます。本来であれば有給休暇を取っても問題がない状況なのに、なかなか上司に申請できません。有給を取りたいと思っているのに、ずっと取れていないという看護師も決して少なくないようです。そして3つ目の理由が、医療機関で有給休暇を取得するという文化が根付いていないケースがあることです。有給休暇の取得は、従業員に与えられた権利の1つです。しかし、同じ職場で働いている人達が誰も休みを取らない場合、自分だけ有給休暇を取得することを躊躇してしまい、なかなか申請できない状況に陥ってしまいます。このような状況を改善するためには、医療機関全体の体制の見直しが必要です。看護部長や看護師長などの管理職と話し合い、全員で改善する取り組みが必要だと言えるでしょう。